国際印刷大学校研究報告創刊にあたり


学長 木下堯博

 2000年6月、国際印刷大学校が設立され、インターネットなどによる教育と研究が開始された。日本では始めてバーチャルの印刷系大学の誕生となったが、アメリカではこのOn-line distance Universityは年々、増加の一途をたどっている。
2002年には全米85%の短大、大学ではこのバーチャルコースを有するまで成長すると予想されている。
これはIT,ネットワーク関連のインフラの整備が確立し、国民の生涯教育の要求から当面、量的な拡充の方向とみられる。
それぞれの大学が独自の専門分野を提供していて、学位の取得も可能になっている。
このように世界の流れはインターネット大学が従来の高等教育を変革しようとしている。
将来は、すべての大学が大なり小なりこのウエッブコースを持つようになるであろう。
日本からも当然アメリカや各国のインターネット大学を受講できるし、高等教育の国際化がインターネット大学を介して急速に進んでいくであろう。本学にもアメリカからの申込みがあり、相互に学術交流することが必要である。究極的には従来までの大学は姿を消し、ネット上のバーナー広告による授業料不要の大学が増加して行くであろう。いわば憲法でいう教育の機会均等ともなる。
 日本では遅ればせながら大学設置基準を改正し、このコースで取得した単位も2002年頃には認めるようになるであろう。地理的な障害はほとんど無く、インターネット電話により通信費が無料になることから新しい産業として創設も可能である。
 従来までの放送大学はTVメディア、印刷教材、ビデオテープなどの活用、通信教育ではスクーリングなどで教育が行われていたが、インターネット大学はあらゆるメディアを包括し電子コミュニケーションの新しい体系を利用したもので迅速かつ教員との知的共同構築となる。
 教育内容、研究成果など一般公開されるので、そのコンテンツがウエッブ大学の場合、生命線となる。アメリカではこのような大学への大規模な投資もされ、拡大して行くなかで、特徴のない大学は応募が減少し、淘汰が始まるであろう。
受講生や企業がより良い教育内容や研究レベルを選択するようになる。そのためにも、本学ではその基礎を確立しなければならず、この研究報告もその一部となろう。
15世紀にグーテンベルグが印刷術を発明し、ルネッサンスの発端となったと同じように、21世紀には印刷企業がオンデマンド、ソフト構築などでリードし、ウエッブ大学を新しい知識産業、さらにはコンテンツ産業として対応していくことが今後の課題ともなろう。
 21世紀を迎えて、皆様方の今後のご活躍を期待しています。

(2001年1月11日 記)