PRINT01(シカゴ)と世界のe-Learning(第1報)※1
−印刷情報産業の役割−


木下堯博※2

[内 容]

1、はじめに; 2、世界の印刷界の躍進; 3、アメリカの印刷業; 4、PRINT01; 5、プレス関連の進歩; 6、プリプレスの発展; 7、PRINTt01からIPEX2002へ; 8、世界のバーチャル教育; 9、まとめ; 参考文献

1、はじめに
著者は世界4大印刷展示会(drupa、PRINT, IPEX, IGAS)のうち、昨年のdrupa2000(1)での展示会を視察し、その特徴を“QSC”(Quality, Speed, Cost)と要約をまとめ学会で発表した。それに続いて本年アメリカのシカゴで行われたPRINT01へ出席した。
この展示会では9月6日から会場展示とセミナーなどに参加し、世界の印刷技術の動向を調査した。また、JGASは本年10月、IPEXは2002年4月に、IGASとGEC(ミラノ)は2003年にそれぞれ開催される。drupa2004は2004年5月6日から14日まで行われる。
アメリカで開催されたPRINT展には1980年(2)、1991年(3)、1997年(4)と本年で4回目となった。今回の展示会の内容は7区分され(1)デザイン・設計、(2)電子出版、(3)RIP・ワークフロー、(4)パッケージ関連、(5)プリプレス・プレス、(6)ポストプレス、(7)材料とe-ビジネスで出展社数は850社となった。
これに対して参加者は100ヶ国から印刷情報の専門家9万人の参加が予定されていたが実際はアメリカ同時テロ事件の影響で、これよりもかなり少なくなったと思われる。
最近の展示会は国内外を問わず、デジタル対応のIT関連の技術が多いため、コンピュータ上の説明を主としてセミナーや講演会で行われるようになった。
 これは世界的な不景気の中で機械を会場に持ち込んで展示するよりは、むしろビジュアル的な表現で参加者にアピールし、CD-ROMなどの資料を配布した方が効果的であるとの判断があると思われる。
今回の公式セミナーは7日間で総計94件となり、無料セミナーなどを入れると約100件以上のセミナー、講演会、討論会などが開催される。しかし9月11日の事件により、後半のセミナーやプレス発表などは中止されたとの報告を受けた。この国際テロリズムに関しては1998年アメリカ政府の年次報告書で世界のテロリズムト題して、アフガニスタンなどに国際テロリストの訓練キャンプが存在し、国際テロの拡大をすでに指摘していた。会期中にこのような事件が起き、まことに残念です。
しかし、公式セミナーの区分は@ビジネス、A印刷生産、B出版、Cソフト、Dパッケージなど5っの分野に区分されていて、事件前までは順調に進行した。
9月7日は8時30分から“印刷産業の動向と将来”と題してJ.Webb氏が講演を行った。
この要旨は2015年までの印刷産業の推移とインターネットの拡大に伴う、印刷産業のあり方をまとめた。ここではGDPと印刷に関する28の分野との関連性について議論された。
9月8日Dupont のRemote Color Proofing, IPA(International Prepress Association)はIPAの事業目的と印刷界の技術動向などの講演があった。その他、GATFの紹介、 Deuctsher Drucker(ドイツ出版社)はアメリカで新しくPrinting Production(America) 誌を刊行する。そのサンプルが配布され0巻(2001年9月号)になっていてPRINT01の特集をまとめていた。
9月9日のNAPL(National Association for Printing Leadership)は教育のためのテキスト、資料更に経営のための経済分析などを行っていて、今回は34冊にのぼるPocket Universityを刊行した。このうち、CTP, RIP, Digital Printingの3冊を購入して来た。また、10月25日にはPrint01のWebレビュー(www.napl.org)が行われる。その他、各社の発表に参加し世界の情勢を討論することが出来た。
また、Net-Education, e-Learningに関する調査と出展をしていた RIT(Rochester Institute Technology) , PSU(Pittsburg State University)、更に前回出展の MSU(Murray State University)の各大学とのVirtual Universityの交流なども行った。本報告では“Print01と世界のe-Learning”−印刷情報産業の役割−と題してまとめた。

2、世界の印刷界の躍進
世界の三極経済(アメリカ、EU、日本)指標の比較では1995年でGDPがそれぞれ7.2兆ドル、6.9兆ドル、5.1兆ドルとなり、一人あたりのGDPは日本、アメリカ、EUの順になった。しかし、近年、日本のGDPの伸びが見られず一人あたりのGDPは減少している。
世界の印刷出荷額(1996年)を7大陸別にまとめると、表1のようになる。
1$100円と単純計算してみると、日本は1996年(平成8年)は約6兆円となる。
しかし、経済産業省の統計である工業統計では同年は印刷業で7兆5千億円である。
120円で換算すれば7兆2千億円となり実質的に工業統計の数値に大略一致する。本論では計算しやすいように1$=100円とした。
日本の場合、印刷産業(印刷業、製版業、製本業、加工業)と定義されているが、この文献はDeutsher Drucker のWillom氏のデータであり、Power Point上でまとめた表1,2は印刷業のみで議論されている。表1は7大陸別の印刷出荷額をまとめたもので、世界のマーケット動向を確認することが出来る。
図1はそれらをグラフ化したもので、出荷額上位の3大陸(ヨーロッパ、アメリカ、アジア)のみを抜粋した。
表2は1987年から1996年までの3大陸の10年間の出荷額推移をまとめている。
ヨーロッパ、アメリカの百分率は減少しているが、実質的には出荷額は微増である。
しかし、アジア大陸は10年間で大きく成長し約2兆2千億円の伸びを示した。今後は印刷マーケットとしてアジアの動向を注目しなければならない。
経済産業省の2001年版・通商白書でも今後は東アジアを舞台とする大競争時代として結論をまとめている。
印刷出荷額の今後の動向に関してGDP, GNP及び人口との関連がいろいろ研究されてきている。
ここでは世界の人口推移(表3)と印刷出荷額についてマクロ的にその関連を考えてみた。
マルサスの人口論では人口は幾何級数的に増大し、食料の確保が困難になると発表したが、フェアフルストは人口増加の速度を落とし、均衡状態になり、減少に向かうと述べS字型の修正ロジステックス曲線を生み出した。更に、これが繰り返され人口波動説が今日の主流になっている。紀元前5万年から5大波動があり、現在は第5波動域にあり、グーテンベルグが印刷を発明した1400年から2200年まで世界では人口増加傾向が続くと見られている。
世界の人口は1960年約30億人、2000年約60億人となり、アジアの人口は21億人から36億人となり世界に占める割合が依然として高い。(図2)
世界の人口合計の推移と各地域別の人口との相関係数を求めるとアジアがr=0.999と最も高くなり、ヨーロッパはr=0.484と低くなった。このことはアジアが世界の人口推移を牽引していることになる。(図3)
印刷出荷額と人口との相関関係は中国、インド、ロシア(旧ソ連),ブラジルなどを除き、比較的相関が高い。従って印刷物の需要は東アジア地域で依然として増加の傾向が続くとみられる。
各国のGNPも印刷出荷額とが相関関係があり、人口の場合と同様な傾向を示す。(5)
アジア地域もGNPや人口の関係についても印刷出荷額との相関が成立つと推定される。
近年の不透明な経済環境に於いてGNP,GDPから印刷出荷額を推定していくのは非常に困難になってきているが、GDP`の上位の国家はアメリカ、日本、ドイツ、フランス、イタリア、イギリスになっている。一方、人口推定は国連が幾つもの仮定のもとで算出していて、ある方向性が打ち出されている。これらを用いて将来の印刷出荷額の推定は可能であろう。
今回の展示でも東アジアの印刷需要増大の将来性を見越して中国と台湾の2ヶ国が合同で出展をしていた。

3、アメリカの印刷業
アメリカ合衆国は人口2億6,764万人(50州)で、GDPは80,799億ドル、一人あたりのGDPは30,189ドルで、総貿易額輸出は6,793億ドル、輸入は8,773億ドルで輸入超過になっている。
アメリカの印刷業は2000年に出荷額16兆円となったが、従業員数は増加し、企業数は減少した。これは成熟した印刷業が淘汰され、他産業からのM&Aなどにより印刷企業数は減少したものと考えられている。
今回、コンパックを合併したHP(ヒューレット・パッカード)社はIndigo社も併合し注目された。
デジタル化の発展は急速に進んでいるが、2020年まで印刷の全体の量は上昇して行くであろうと、予想されている。(6)
その中で高齢化により、熟練工が減少し、暗黙知の比率が欠落しつつある状況下で、新卒は伝統的な印刷業に魅力を感じていないので、印刷業としては人材確保に努力している。
この状況下で企業内教育をe-ラーニングで対応しようとする企業が、増大している。
会期中の9月10日には“e-ラーニングと印刷産業”をテーマにE.Kenly氏が講演を行った。(7)
Graphic Communications Council は9月7日印刷産業人育成のための教育サミット会議をHeidelbergのPMAとの共催で行われ、各社が協力して2000万ドルに及ぶスカラシップを設立した。
PIAが2000年10月に「Vision21」を発表したが、その骨格は印刷の市場成長がGDP弾性値の1.0以下となったこと、そのためには印刷のビジネスの再構築をはかり、カスタマー志向の展開が重要であると述べている。
GDPの伸びは3Q'99−2Q'00=5.1%;3Q'00-2Q'01=1.2%となり、急激な景気後退に入っている。2002年にはHigh Recovery(GDP4.2%)、Weaker Recovery(GDP2.0%)と推定されている。 Webb氏の講演(8)では2010までにGDP弾性値よりも上昇する分野は印刷の28分野のうち、ラベル、折込み、新聞・雑誌、パッケージなどの10分野を挙げていた。
彼は印刷=ロジステックスと結論づけている。また、American Printer誌の討論会でも印刷効率という新しい定義を打ち出している。
デジタルメディアの発展にも拘わらず、印刷の全体量は2020年までは増大し続けるであろう。広告やパッケージ分野は成長が予測され、ホーム印刷やページ物は減少するであろう。印刷と電子メデイアとは共存し、相互に補完しあいながら成長するであろう。
一方、印刷物の一ロットの枚数は1999年で2000部以下が54%であったが2020年には30%に減少すると予想される。従って、多くのShort Run方式のシステムが登場するであろう。
印刷の納期も年々短縮され、2010年には受注の30%は1日か、それ以下になるであろうと推定されている。
これはワークフローとインターネットやリモートプルーフ、デストリビュート印刷により可能ともなろう。
2010年にはe-paperの出現により小部数の文字印刷はコンピュータツウe-ブックとなり、e-ラーニングに大きなインパクトを与える。

4、Print01
 今回の展示のメインテーマは
(ア) 印刷工場の自動化と高品質化
(イ) デザインなどのデジタル化がワークフローにより印刷にリンク
(ウ) バリアブルなデジタル印刷とDIはすべての印刷工場で対応
(エ) パッケージと加工はすべて印刷と直結
などである。(写真1〜写真8)
講演は技術と経済、人材は印刷企業運営の鍵となる。
これらをサポートするためのテーマが多く設定されている。
今日の経済低迷の環境下で、いかにしてコストを下げるかが課題となっているが、それらを解決するヒントが得られたであろう。
主催者側は“もしも参加しないと激動する21世紀の初頭の経済、技術変化の激動時に2005年の次のPrint展まで待たなければならず、このPrint01への参加者の優位性は明らかであろう。”と述べている。
アメリカのGATFが本年7月に発表した2001年のインターテック技術賞は9社に与えられた。
(1) Digimarc Media (Digimarc ) インターネットソフト
(2) Eco Cool(Heidelberg)オフ輪乾燥
(3) Supertrap (Heidelberg)PDFトラップAB4.0
(4) Matchprint Server(Imation) DFE,RIP
(5) CIP-4(ICIP)XML対応ソフト
(6) DICO-Web(MAN-Roland)書き込み自由オフ輪
(7) Digi-Stith (Oce)オンライン自動製本
(8) ProFire Imaging Technology (Presstech) サーマルDI
(9) Markz Net (Markzware) インターネットソフト

また、2000年の同賞は8社に与えられ日本も富士写真フイルム(株)と三菱重工業(株)が受賞した。参考までに次にまとめた。
(1) Collabria Print System (Collabria)
(2) Digital Offset Press(DOP) Imaging System (CreoScitex)
(3) Acousto-Optic Deflector (AOD) multi-laser beam Technology(Fuji Film)
(4) Image Control (Heidelberg)
(5) Kodak Approval Recipe Color Software (Kodak Polychrome Graphics)
(6) Digital Register Analysis (Mitsubishi Litho Press)
(7) PreView System (Preview)
(8) Sinar-back Digital Camera System (Sinar)
これらを中心に見学が行われたであろう。
カラースキャナに関する受賞は近年見られないが、Print Com AsiaではPrint01の特集号で14種類のハイエンドカラースキャナーの色再現性、生産性などを調査した。その内、上位にきたのはScreenのCezanne,Elite(7.05;7.1)、FujiのLanovia(6.90)、ICGの365type(6.70)、HDのNexscan(6.60)であり、国産のカラースキャナの優位性が認められた。
今回の展示では先に述べたように団体出展があり、ドイツグループ(メッセジュセルドルフ)と中国国際貿易協会、北京技術協会その他、ブラジルのAbigraf、イタリアACIMGA、スペインAMEC、メキシコANIDIGRAF、カナダ、日本などの機械工業会、貿易協会の団体の出展があった。

5、プレス関連の進歩
A.B.DickはQP25,QP25U一色、二色を出展、ショットラン、多色化に対応した。
Allied Pressroom Chemistryはブレンドパウダー、BASFはUVキュアーインキをK+Eインキとして出展した。
Day Internationalは静電気防止用のブランケット、湿し水関係ではEpic, Essex, Evtec, Graphic Microsystemsがそれぞれ新商品を発表した。枚葉印刷機ではCoCureハイブリドコーチングで湿し水コントロールを冷却、印刷の品質を維持する。オフ輪でも同様のシステムをGraphix North Americaで実演した。
ハイデル、小森、三菱、KBAも枚葉、オフ輪で対応している。
Harris & Bruno Internationalはコーチング装置を展示した。
Heidelberg USAは単独で100,000平方フィートの最大の展示面積を有している。NexPress2100,Digimasterなど最新鋭デジタル印刷機をはじめ、新しい枚葉機、オフ輪を一堂に展示。特に、New Speedmaster SM52-6-P+LX(20inch,6Color,Coater) ; Speedmaster CD74-6+LXは6色機で商業印刷、パッケージ印刷に向いている。この機種は昨年drupaで展示されアメリカで5ヶ所に設置された。
世界全体では12台出荷されており、紙の厚みは0.002インチから0.032インチまで可能である。
又、SpeedmasterSM102−12−pは12色機で巻取りから枚葉紙に変換するフイダー装置(Cutstar)を装備する。この場合、巻取り紙の購入費用は枚葉紙より10%〜15%も安価になる。
オフ輪ではSunday2000の展示があり、準備時間が短く、ショ−トランに対応つつ、高品質な印刷が可能である。この機種にはEcocool乾燥装置(GATFインターテック賞・受賞)を装備している。Sunday4000は版自動供給装置が付属する。
Nexpress2100はdrupa2000でも展示されたが今回も追加機能と合わせて実演された。
HurletronはElectrocardを出展した。これは1時間に8万枚のカード(クーポン、ラベルなど)をグラビア、オフ輪で印刷した。
Indigoはe-Printpro+, TurboStream, UltraStream, 新しいデジタル印刷機であるPlatinumの実演を行った。また、ウエブ対応のPublisher4000、8000、Omnius Multi Stream, Omnius Web Stream(ラベル、パッケージ用)などを展示した。
INX Internationalはハイスピードオフ輪用ヒートセットインキ、INX CureはUV,EBによる乾燥装置など展示した。
KBAは41インチ幅のRapida105−6の6色機を展示、CoCureコーティングシステム、スペクトロフォトメタ-を内蔵し、商業用から厚紙まで応用範囲が広い。
Rapida162A-6の6色機は最も大サイズで、自動洗浄(インキ、ブラン、圧胴)を装備している。この他、4色デジタル印刷機74Kratを出展した。これは水なし、キーレスで対応している。
小森はリスロン40SPや40インチ幅のProject D(Creo-Scitexのサーマル描画装置)のデジタル印刷機を出展した。その他、リスロン640、628(パーフェクタ)、リスロン520、スプリントGSなどで、デザインから印刷までのワークフロ-を内蔵したカラーコレクションを実演した。30枚の予備紙で完全に立ち上がることを強調していた。また、デジタルテクノロジと印刷を融合し、カラーコネクションを実演した。
MAN-RolandはアメリカではじめてDICOWebを実演する。これはdrupaでも出展されたが、熱定着された画像を消去し、再度書き込みなど繰り返し可能である。
20インチ幅の巻取り輪転で1秒間110フィートの印刷速度である。
その他、Roland200、700、900などをを出展、Pecom Server Netで機械群をリンクし管理するシステムを実演した。
三菱重工はMitsubishi Lithographic Presses(MLP U.S.A)として出展。Diamond LinkVとCIP-3をベースにしている。Mitsubishi Diamond Series でComputer−Integrated Printing Systemと自動前準備システムを内臓したDiamond1000の6色機コータ付(CIP-3対応)15,000枚のスピード、Diamond3000Rは40インチ幅の4*4の8色機セットアップ時間を短縮、この枚葉8色機は日本国内でリリースされ、色合せにスペクロル一致方式を発表していて分光光度計による色再現の迅速、正確さを求めている。Diamond16Zは16ページの巻取り4色オフ輪、UVコーター付。
また、GATF2000のインターテック賞にデジタルレジスター合わせ(DRA2000)も受賞している。
Oceは Demand Stream CX印刷機を展示し、バリアブルデータで書籍印刷対応可能である。
PDIはEclipeサーマルCTPで枚葉、オフ輪で利用可能。Prismaは830nm、1063nmで対応可能で200万部以上の耐刷性がある。
Perretta Graphicsは色合せ、トンボ合せ、CIP-3対応可能なDynaScanUを発表する。
Polly USAはチェコ製74シリーズの枚葉機でこれは66機のバージョンアップされたものである。
QTIはオフ輪用のCCS(Color Control System),RGS(Register Guidance System)FMS(File Management System)など印刷機周辺領域を出展。この会社の親会社Quad Graphics社(ウイスコンシン州)に別のグループは見学の機会を得た。オフ輪、グラビア輪転を中心とした工場で週刊誌などの印刷を行っている。
RisoはGR3770のデジタル印刷機(600dpi)を出展。又、2色機のV-800も出展。
オプションとして70色のカラーを有している。
RYOBIはアメリカの代理店xpedx社と共同で“Faster in the Short Run, the Winner in the Long Run"をコンセプトに6機種を展示した。即ち、RYOBI3404DIダイレクトイメージング装置内蔵A3縦通しオフセット4色印刷機はコンパクトで生産性が高く、イメージに要する時間は50Dots/mm(1270dpi)で約2分20秒である。
RYOBI684P菊半截寸延高速オフセット4色印刷機(反転装置付)この680シリーズは4色の他、5色、6色、水性・UVニスコーティング、UV・IR乾燥装置などの組み合わせが可能、日本産業デザイン振興会の1999年度グッドデザイン賞受賞。その他、品質管理装置、プログラムインキングなどの機能充実。
桜井はDI機を出展。完全自動5色機であり、DIはPresstekのProFireのレーザ描画装置を有する。
Solnaは新しいシャフトレスC800オフ輪を出展。小幅サイズで高品質。
Technotransはインキローラーコントロル装置。
Web Printer Controlはオフ輪用色測定、トンボ合わせ装置。
Xeikonは高速デジタル印刷機CSP320D,DCP500Dなどの他、Xeikon7000(モノクロ)仕上げをオンライン化している。UVコーターはデジタル印刷機では初めてである。
Xeroxはトナーベースの高速デジタル印刷機、カラー再現のためのデジタルフロントエンド、ワークフローソフトも公開した。モノクロではDocuTech/DocuPrint75(1分間で75ページ可能)。Docu Color 233 DI-4はPresstek社のDI技術を用いている。
この機種はすでにアメリカで5社の印刷会社で利用されている。Docu Color 400DIは4色ユニットのオフセット印刷機で1分間400枚印刷可能。Docu Color iGen3は第3世代機として出展された。これは4色フルカラーで安価、高品質の印刷画像(パーソナライズも可)を生産する。Drupa2000の場合と同じくHeidelbergに次いで第2位の展示面積を有していた。
VanSonHollandはソイインキに関し実績があり、近年ではDigital Inkへの需要が多い。
その他、次の印刷材料、装置、印刷周辺機材各社などの出展があった。
Soy Ink Information CenterはAmerican Printing Plantで印刷したサンプルを記者クラブで配布した。同一画像をコンベのインキとソイインキで刷ったものを比較した。
また、日本のインキ会社へは17社にサポートしている。うち、フレキソ用ソイインキは3社であった。
Epic, Essex,Graphic Microsystem, Thermo-O-Type, TowerProduct, Wekoの各社についてガイドブックにまとめられている。

6、プリプレスの発展
Agfaは色校正のSparpamatic 8色、43インチ幅ロール,16プリントヘッド可変幅対応、1,440dpiで3倍速度を実現。ノンアブレシブサーマル版“サーモライト”を展示。
Creo-ScitexはBrisque4.0を展示。QuarkXtensionを使用し、リーリジョナルバージョンを実演。また、デジタルオフセット印刷(DOP)のSquare Spot Thermal Imaging SystemはHeidelberg, KBA, Komori, MAN-Rolandに導入されていて、KomoriのProject D(40 inch/6Color)はQuebecor World Mil に導入された。MAN-RolandのDICO Webにも装備されている。
EpsonはStylusPro5500を出展、これはドロップオンインキジェット技術で印刷画像の網点に対応している。これはドライダウンすることなしで、インキの安定性がある。StylusPro1000は44インチ幅大サイズ出力機で特別のインキのため屋外での印刷安定性がある。
CGSはEpson ProoferのためのO.R.I.S.Color Tunerを出展した。
X-RiteはColorMailを展示した。これは色の許容範囲、インキ量など印刷に必要は正確な色情報を送信する。Spectrofiler2はカラーバーから印刷機械にカラーマネージメント情報を提供した。
Heidelbergは初のバイオレットプレートのCTPレコーダーProsetter52/74/102とサーマルプレートCTPレコーダTopsetterPF102、Metadimension2.5,Delta7.0のワークフローの展示がされた。
HPはコンパックを買収し、更にIndigo社を傘下にいれHPのコマは活気があった。
Hp Digital Press6600の出展があり、A3サイズの4色印刷物を提供していた。
Kodak Polychrome Graphicsはプロセスレスのサーマル版“Sword"を展示。
First Check Desktop Proofing Systemを実演。
Monacoはプロファイラー、プルーフ、EZ-Colorを出展、X-Riteと共同で開発をした。
Lastra Americaはヨーロッパに実績を持ち、この度、Extrema 2GCtPサーマル(830nm)を展示した。
Glunz&JensenはInterPlater85と135HDを展示する。CTPサーマル、フォト、銀塩、コンべに対応するセッターである。また、ポリエステルベースはQuicksetter46で描画し、HDQM46で印刷する。印刷枚数は500枚から10,000枚程度である。
三菱製紙即ち三菱imaging(MC)はSilverDigiPlateのポリエステル材料と装置を出展した。同時にカラーマネージメント、カラープルーフを含めたCTP ワークフローも展示実演が行なわれた。このワークフローの一部としてColorQCマネージメント、三菱ジェット校正紙、DPX Platesetterシステム(Purup-Eskofot)DPXsystemはDotMate7500/6500が中心となるが、SDP-Eco1630も展示された。
また、バイオレット感光性のCTP Silver DigiPlateをポリエステル、金属板両用を展示、後者のアルミ版は20万枚の耐刷性がある。
このブースでは三菱化学、ウエスタンLithoTechが共同出品した。
Diamond PlateLV-1は世界初のフォトポリマー410nmPlateで、プレヒートなし、プレべークなしで1〜99%の網点を再現し耐刷力がある。
Cobalt8で30mW Violet Laser Diodeのプレートセッターで実演をした。
Diamond PlateLT-2は830nmのサーマルプレートでプレべーク、ポストべークなしで0.5%から99.5%の網点再現で30〜100万枚の印刷が可能であった。
大日本スクリーンのDS PTR8000(830nmサーマルセッター)も展示された。
AvantiComputerは原価計算ソフト、生産管理ソフト、Nooshはドットcom Solutionを提供した。
RealTimeImageはオンライン校正技術を公開した。
日本からはアメリカの現地への進出企業または合弁企業として出展した。
富士写真フイルムはMy Fujifilm.com(Web上のJob Management),Final Proofの特色機能向上、Color Path(Visual Profiler)[色変換テーブル],高生産性・高画質フォトポリマーCTPシステム「1200dpi/175線」で40版/時出力、菊全サイズサーマルプレートセッター(T-9000CTPHS)、超高速B2サイズイメージセッター(F-6000),ハイエンドパーパス・フラットベットカラースキャナー「LANOVIA Quattro」、高機能PDFワークフローRIP「CelebraNT」,無処理CTPプレート(参考出品)、Violet Laser対応・高感度フトポリマーCTPプレート(参考出品) などの10項目を出展した。
Pressに配布されたCD-ROMは92ページのPDFはファイルの資料があり、Input System,Output System, Proofing System, Film System, Plate System, Workflow System, E-Commerce, Color Managementの8つの部門にそれぞれの商品を網羅していてプリプレスの全分野を対象にしている。
IharaはR-シリーズ濃度計を展示、濃度とドットの兼用測定器である。また、高精度の品質管理内蔵の分光スペクトル機(Spectro-Cam)も展示した。
日本紙パルプはインキジェット用の多孔質写真調の用紙などを展示。デジタル印刷用の光沢デジタル紙を提供した。
大日本スクリーン製造はScreen(USA)として出展。大日本スクリーンは、菊全サーマルCTP PlateRite 8600/8000、菊半サーマルCTP PlateRite 4000U、インテリジェントRIPシステム Trueflow、平面スキャナCezanne Elite、菊全フイルム出力機 Tanto 6120(国内名:Genasett 6120)、菊半フイルム出力機 Katana 5055(国内名:Genasett 5055F)、デジタル印刷システムTruePress 544、カラープルーフ LabProof、カラーマネージメント LabFit、デジタル検版システム ProofEye、AM/FMハイブリットスクリーニング SPEKTRA(国内名:フェアドット)などを出展した。
新製品である菊全サーマルCTP PlateRite 8600は、64チャンネルの記録ヘッドを有し、2,400dpiで1時間20版の刷版プレートを出力する。また、オプションのシングルカセットローダーSA-L8600は100枚、マルチのMA-L8600は各種サイズを500枚まで可能である。
インテリジェントRIPシステム Trueflowは、新バージョン2.0の紹介が行われた。新バージョンでは、より高い生産性を供給できるCTPワークフローが実現でき、PDF1.4対応や今後のCIP4運用にとって重要なJDF対応が紹介された。
TruePress 544は、On-Pressで製版を行うカラーオフセット印刷機で、大日本スクリーンのカラーマネージメントコンセプトであるP2QM(Prepress & Print Quality Management)に基づくインラインインキ濃度検出機 TrueFitが搭載されており、A3で1時間3,600枚を印刷する。TrueFitはオペレーターの印刷濃度管理を軽減し、安定した品質の印刷を実現する。紙の厚みは0.06から0.3mmまで対応可能である。
SPEKTRAは、世界で始めてのAM/FMハイブリットスクリーニングで、それぞれの特長を併せ持つスクリーニングを実現した。
DupontはWater Proof Thermal Halftone, Cromalin Digital Proofersなどを展示。セミナーでもColor Proofに関する討論が行われた。
PantoneはHexachrome Color Systemを発表、4色にオレンジとグリーンを加えて6色とし、カラーガマット領域を広げ、彩度を高めていた。研文社ではこのHexachrome Color Systemを用いて印刷したサンプルがJGAS2001のユナイデトカラーシステムズで公開される。
Imationはマッチプリントデジタル網点校正システム(GTTech)を出展した。
Best ColorはスクリーンProof,BestProofなど遠隔地校正をインキジェットで対応した。
MinoltaはCF2001Pのカラープリンターを出展。
Phase OneはH20typeのデジタルカメラ4020*4020ピクセル画素を有するCMYKで124MBのファイルを有する。
Presstekは基本的なダイレクトイメージング技術でGATFの受賞となったが、ケミカルフリーのサーマルCTPアンセムとディメンションセッターが展示された。
ECRMはサーマルタイプ、3556dpiで1〜99%網点再現のDesert Catセッターを出展。
Torayはアナログ,デジタル水なしプレートを出展。
キャノンはCLC1100を出展。フルカラーで印刷速度は8.5ppmであり、FBトナーを利用し校正も可能。
シンクラボラトリーは水性グラビアに関する資料(CD-ROM)を提供。自社Webにもリンクする。
きもとはインキジェット用のポリエステルフイルムとCTP用のキモプレートを出展した。
コニカはデジタルカラープルーフメイクアップシステム(OLシステム、HQ-RIP)の他、Color DecisionU,Digital Konsensusを出展。
その他、日本紙パルプ商事、デュプロなど各社が出展した。
デジタル印刷機などと製本加工の後工程をインライン化する展示が多くなってきている。
Check Technology CorporationはOn Demand Security Printer "Imaggia MG20"を展示実演した。電子写真方式で宛名や挨拶文をバリアブルデータで印字する。
日本の代理店はCTC Japanである。
Horizonは自動丁合機、インライン完全製本機、三方断裁機などを出展、特に、AFC504AKT自動丁合、HB2000のインライン小冊子製本機、Xerox印刷機とインライン化した実演を行った。
BielomatikはBookmaster360を出展。これは105*148〜250*320までのサイズで、厚みが6mmから60mmまでの高級書籍を自動製本した。
Heidelbergはポーラ断裁機システム6及び昨年のdrupa2000で発表されたフルオートマテツク帯がけ装置付ダイカッターDC10断裁システム,折り機としてTD52,66,78などコンピュータソフト内蔵対応である。
D&Kはサーマルラミネートフイルム(PP、PE、Nylonなど)Muller Martiniはオンデマンドマーケットに対応するAmigo Plus Perfect Binderは小部数の高級書籍の製本する。
Brandtjen & Klugeはホットスタンプ、エンボス、折丁システムなど展示。
Rollenは印刷仕上げに関する広範囲の展示を行った。
印刷人雑誌社は北館の1Fに展示。台湾で「印刷人」という月刊誌を刊行している。2002年12月に台北市で印刷機材展を開催する。
今回の展示会ではワークフローとインターネット、リモートプルーフ、CTP or CTPress(DI)、デジタル契約校正(サーマルレーザー、インキジェット、染料昇華)、JDFとCIP-4、ハイブリット対応(例えばフレキソとインキジェット)などがプリプレスの大きな視点となった。

7、PRINT01からIPEX2002へ
2001年9月6日から13日のPRINT01は同時多発テロのため実質的には9月10日の5日間の開催となった。しかし、PRINT01の総合カタログでは各社の出展内容、セミナーの概要などがまとめられていて迷うことが無く目的とする行動が出来た。
国際展としては7ヶ月後の2002年4月9日から17日まで9日間の開催のIPEX2002に引き継がれることになる。ここでは“印刷・出版・メディアのグローバル技術のイベント“とサブテーマを設定している。
具体的にはデジタルワークフローがInternetとのリンク、CTPはVioletとThermalとの競争、デジタル印刷とオフセット印刷との進歩などが展示とセミナーで展開されるであろう。世界的の課題の小ロット、短納期、コストダウンなどに、どのような解決策を打ち出していくか注目される。
2001年8月22日に“PRINT01などに関する直前レポート(第1報)、8月30日(第2報)”をまとめたが、9月6日から始まった21世紀最初の世界最大の展示会であるPRINT01の初日から9日までの4日間、展示と講演などに参加し、9月11日に帰国した。前回のPRINT97と比較して会場が北1F(デジタルプレス関連)と3F(プリプレス関連)、南館3F(プレス関連)のみ(ミシガン湖側の東館は未使用)に縮小されていて、昨年のdrupa2000の約1/5程度であった。しかし内容は密度の高いものがあった。
drupa2000でのプロトタイプが実用機となり実際の販売までに至るレベルになって来た。
デジタル対応の機器が進歩発展し、短納期とカスタマイズへの機能的飛躍があった。
会期中、100以上にのぼる公式の講演会やセミナーがあり、98件のPress発表なども含めると業界の内部充実と若い世代への啓蒙活動が展開されていた。10時の開場に先立ち8時から開催されるセミナーもあり、さらに会場終了の17時から特別講演、ミーティングなど世界中の印刷及び関連企業の情報交換会がシカゴの町を渦巻いた。
アナログからデジタルへのクロスポイントは2010年から2020年の間にあるとの多くの論調がある中でコンパックを買収したHPがIndigoを併合し、MAN-RolandがOceと組みそれにXeikonが加わりFlint inkとの協調関係の確立、Purup-Eskofot社とBarcoが合併しBPE社としてスタートするなどデジタルへの対応は国境を越えたグロ−バル化が急速に進んでいる。
アメリカではこのデジタル印刷機械のマーケット占有はHeidelberg社(Nexpress2100), Xerox社(i-gen3)更にHP+Indigoの3社が大きい分野を占めるものと言われている。
9月9日のFinancial Timesではアメリカ、イギリス、ドイツ、日本の株価の変動を報じていたが2001年6月からの4ヶ月いずれも下降していて経済の先行きにやや不透明感があるもののシカゴの町や成田での混雑状況など個人消費は活発であり、どこもレストランは満席であった。また、前回のPrint97に比較して、町を走る車の外観は所謂ポンコツ車があまり見られず綺麗になっていた。
新聞各紙や週刊誌では日本の経済状況が報じられていたがGDP第2位の日本の動向を注目している。今回の展示会では現地法人を含め28社となり、富士写真フイルム、大日本スクリーン製造、三菱重工、小森コポレーション、三菱製紙、三菱化学(Western Litho)、リョービ、ハマダ印刷機械、桜井グラフィツクシステムス、伊原電子、コニカ、きもと、サカタインクス、日研化学工業、キャノン、エプソン、理想科学工業、篠原商事、シンクラボラトリー、東レ、ミノルタ、東京機械製作所、内田洋行、ホリゾン、飯島製作所、デュプロ、日本紙パ商事、ニレコ、印刷機材団体協議会などの各社の出展があった。その他現地企業の日本代理店の参加もあった。
日本に於ける機械(印刷、製版、製本、加工)の生産金額は表4に示す。それをグラフ化すると図4となり、減少していることがわかる。印刷機械の輸出は約80%近くに上昇し、国内需要の低迷により輸出への努力がある。(図5)
世界で最大のHeidelberg社は展示会中で最大スペースを有し、ブース内のPrint Media Academyでは会期中ミニ講演会を40講座開催(パネル討論も含む)していて、人気があった。RITのRomano氏の講演は“Future of Print”で将来の印刷のあり方をスライドや要旨なしで行っていた。(写真9)
講演直後アンケート用紙が配布され、講師や講演内容の評価が行われた。
また、Heidelberg社はRITにSunday2000のオフ輪を設置するセレモニーが行われ産学協同が大規模の形態で行われてきた。
第2位の展示スペースのXerox社ではミニ実技講座を開設していて、コンピュータ10台でインストラクターによるレイアウトソフトの指導を行っていた。
drupa2000の場合と同じようにトナータイプのみならず、DIを用いたインキタイプのオフセット印刷機を展示していた。いずれも上位2社は教育や訓練に力を入れていた。

8、世界のバーチャル教育
印刷教育の分野で世界的に実績のあるRochester工科大学(RIT) (http://onlinelearning.rit.edu/)はアメリカで第4位のOn-line Distance Educationの規模でインターネットにより大学講座を公開し、印刷分野でもUnder Graduateコース のImage Reproductionの学科目、GraduateコースでImage Science, Information Technologyなどを開講している。Image Scienceの博士課程はOn-line Distance Educationに未だ設置されていない。ここでは代表者のKen Posman教授と議論することが出来た。
Murray State UniversityはUnder Graduateコース のコミニュケーションコースとグラビア、スクリーン印刷のコースが開設されている。
Pittsburg State UniversityのGraphic & Imaging TechnologiesのBill W. Hendrick教授との討論を行い、この学科のOn-Line教育は準備中であるとのことであった。
ハイデルベルグUSAではPMAでマネージメントに関する修士号が取得出来るようKennesaw State大学と協力してOn-Line教育を行っている。
アメリカ全体のバーチャル教育の市場規模は、2005年には400億ドルになると見込まれている。日本では同じく2005年に2000億円と推定されている。
アメリカでは教育者、管理者向けのトレーニングとサポート体制の確立、インターネット時代の学習形態の確立、質の高い教育コンテンツの開発、法律の改正、資金の調達、IT時代に対応した学習環境の確立などが急ピッチで進んでいる。
帰国して間もなくアメリカおPrint Tech University(PTU)からメールが入り、印刷のセールスマン教育を行うe-Learningの組織である。デジタル時代の印刷セールスマン教育機関として注目される。
一般にはネット利用の内容は3つに分類されている。
即ち、第1に教育ポータル、第2は教育コンテンツプロバイダー、第3にWBT(Web Based Training)プラットフォームの提供である。いずれにしてもインターネットの利用が基本となり、その利用率が発展の原動力となる。(表5)
教育形態は自学学習型、ディスカション型、リアルタイムセション型があり、ブロードバンドの導入により、音声や動画を含んだ大容量の伝送が可能になって来た。
アメリカの大学の大半はOn-line Distance Universityを設置していて、印刷系の学科目も開講されている。やや乱立気味の各大学のインターネット講座は人気のある講座に受講生が集中している。
USDLAはOn-line学術論文やDistance Education Providersなどの一覧が公開され、受講生は自由に選択可能となっている。
アジア、アフリカ、ラテンアメリカの発展途上国の多くが大学教育を遂行するためインターネットの利用を始めている。
オーストラリア、カナダ、ヨーロッパ諸国はOn-line Distance Educationが活発であり、イギリスのOpen Universityは1997/98年度に全学生の21%がOn-line対応のパートタイム学生が登録されている。(http://www.open.ac.uk/)
インドのIndira Gandi National 大学は学費の出費を出来るだけ少なくし、質の高い教育を目指している。この大学ではインド全土から60万人の学生が登録していて、504ヶ所の研究センターをネットワークで結んでいる。
2000年12月の時点でインターネットによる教育言語は英語がde facto言語になっている。
教育言語に関し、外国語から各自の母国語の翻訳は専門用語に関する翻訳がデータベースの構築の遅れで困難になっている。On-line Distance Educationでの利用言語は世界で最も多い英語が47.6%、日本語9.6%、中国語7.6%、ドイツ語5.5%、スペイン語5.2%、韓国語4.2%、フランス語3.5%の順になっていて、日本語の利用も増加している。(http://www.distance-educator.com)
高等教育におけるOn-line教育の経済モデルは、イギリスのChapman大学のG. A. Berg氏により発表された。経費と受講者数との関係は教室講義とインターネット講義とを比較した結果、インターネット講義では初期投資により少人数の場合、1人あたりのコストは高くなる。しかし、受講生が増大するとインターネット講義は教室講義の場合より経費は低下する。
近年、高等教育で注目されてきているCompetency(コンピテンシー)は、ある職務で高い業績を残す人の能力行動基準であり、人材開発分野での達成能力評価とも言える。
大学は各自の就業している職業から希望する学科目を取得し一定の基準を満たせば卒業資格が与えられる。Western Governors大学(WGU)はこの方式により大学学部,大学院の卒業認定をしている。(http://www.wgu.edu/)   これはCompetencyにもとづいたプログラムがあり、WGUの認定している条件をクリアーすればこの大学の卒業となる。これに要する費用は6,000ドルから8,000ドル程度で受講生の職歴、取得単位条件などにより差が出ている。
このように世界のOn-line Distance Universityは、着実に進歩発展を遂げ今日に至っている。世界のバーチャル大学教育に関するレポートはVirtual University Gazetteで把握することが出来る。
日本はこのように海外の動向を注目していて平成10〜12年度の文部科学省科研の基礎研究で「高等教育における高度情報通信技術の活用」が3年間にわたり研究され2001年3月に報告書が完成した。(9)この論文でアメリカを中心としたe-ラーニングの取り組みが理解される。
2001年8月21日の印刷タイムスでシンプルプロダクツが公務員の受験のためのインターネット講座を開講したとまとめている。
日本ではこの他、日本IBM、富士通、NEC、日立、大塚商会、廣済堂、ロータス、グローバルナレジ、スタディボックスなど各社が特徴あるソフトを提供している。
このようにe-ラーニングに関して印刷系マスコミでも取り上げられるようになってきた。また、本学で7月に開催した杉本文司氏の「メディアリテラシーとe-ラーニング」の講演会は日本で初めて行われた「e-Learning展」に併せて実施したもので、その内容は論文として、印刷雑誌(印刷学会出版部)に掲載されることになっている。
また、9月19日から開催のWorld PC Expo 2001ではこのe-Learningの展示もあり、ソフト、コンテンツ開発で一段と進歩していた。印刷企業も大日本印刷、凸版印刷、共同印刷が画像処理の分野からアプローチをしていた。
このように印刷(Prepress, Press, Postpress)やワークフローなどの発展と共にe-ラーニングは大きく成長して、行くであろう。

9、まとめ
1970年代からGDPの推移をまとめるとアメリカ、日本、ドイツの順になっているが日本は1996年からマイナス成長になっている。このことはドイツも同じ傾向を示している。(図6)
しかし、今回の同時テロ事件によりアメリカを始め世界的にマイナス成長期に入ることになろう。GDP弾性値よりも上昇する分野を創造していくことが重要である。
コンピュータ及びサーバーの台数シェア(%)はHPがコンパックを買収して、世界一位となる。(図7)
さらにHPはindigo社を傘下におさめ、印刷産業界への参入が明らかになった。
今後は印刷及び関連企業の再編成が活発になろう。
9月13日ニューオタニで開催された「印刷の月」の式典や懇親会でPRINT01とテロとの関連について話題に中心であったが、日本の印刷産業が世界一を目指して「情報・文化・生活価値の創造を求めた情報価値創造産業」になることを期待している。
21世紀の重要課題の食料、エネルギー、環境、人口、通信・運輸などどの分野にも印刷がかかわっていてPRINT01やJGAS2001でみられるデジタルシステムが企業の将来を決定するといっても過言ではない。そのため教育は大切な手段であろう。
従って、今回のPRINT01をキーワードで要約すると“EDR”(Education, Direct, Remote)となろう。
これらを参考にして、JGAS2001の見学をお勧め致します。
各社の出展内容は主としてAmerican Printer, Graphic Impressionなどの各誌から引用いたしました。なお、第2報−PRINT01からIPEX2002へ−は11月7日に開催の日本印刷学会中部支部の講演会で報告を予定しています。

(2001年9月30日記)


参考文献
(1) 木下堯博;drupa2000と世界の印刷事情、日本印刷学会西部支部講演要 (2000年7月27日)http://www.media-line.or.jp/kinoshita
(2) 木下堯博;昭和56年度日本印刷年鑑pp84〜94(1980)
(3) 木下堯博;印刷情報[11]104、[12]8(1991)
(4) 木下堯博;プランナー34[12]16(1997)
(5) 木下堯博;2025Technical Information 第6号(1991年4月)
(6) J.Roth; American Printer HP Future of Print 2001-8-16
(7) http://www.print01.com
(8) J.Webb; Industry Trends & Futures in Print01 (Sept.7, 2001)
(9) 坂元 昴;文部科学省科学研究費(課題番号10041048)成果報告書(2001年3月)
(10) 木下堯博;PRINT01と世界のe-ラーンニング、JGAS(東京ビックサイト)で2001年10月19日発表。(その概要は日刊工業新聞26面10月16日刊行)


図表一覧
図1 世界の印刷出荷額(抜粋)
図2 世界の人口推移
図3 世界人口との相関係数
図4 機械(印刷、製版、製本、加工)生産額
図5 印刷機械輸出(%)
図6 GDP推移(1970〜2002年)
図7 コンピュータとサーバーの台数
表1 世界7大陸別印刷出荷額)
表2 出荷額推移(1987年から1996年)
表3 世界人口推移(2050年まで)
表4 日本の機械(印刷、製版,製本、加工)の生産金額
写真1〜写真8 PRINT01の会場風景
写真9 ハイデルベルグPMAの講義(RITのRomano教授)
  この他、当日(10月19日)はPower Pointスライド約80枚を用いて講演を行う。

※1 Report on The PRINT01 Exhibition in Chicago & e-Learning in the World (part 1)
※2 President of International Graphic Arts and Printing University
Akihiro KINOSHITA
HP;http://www.media-line.or.jp/kinoshita
※ 2国際印刷大学校 学長 工学博士
※ 東京都東村山市青葉町2−29−12〒189-0002
HP;http://www.media-line.or.jp/igu E−Mail;kinoaki@mpd.biglobe.ne.jp