カラーリプロダクションの標準化


国際印刷大学校学長 
     木 下 堯 博
E-Mail: kinoaki@mpd.biglobe.ne.jp

目 次
1.はじめに
2.標準化
3.オフセット印刷
4.色彩の三属性
5.Japan Color Print 97(JPC97)
6.JPC97と各種データ
7.校正刷りと本機印刷
8.カラーマネィジメント
9.マルチメディアでの色評価
10.まとめ
参考文献
図表一覧


1.はじめに

 カラーリプロダクション(Color Reproduction)はオリジナルから最終出力の印刷物までの色彩の変化を科学的に解明する分野である。
特に、アナログの場合、オフセット印刷分野で多くの研究がなされて来た。
 近年、デジタル化の進展に伴い、どの分野の出力機(印刷機、プリンター、DDCPなど)でも同一のカラー画像として再現されることが必要とされる。
 そのため、オフセット印刷のプリプレス、プレスの標準化は必要不可欠となる。
 本論では、目次にあるようにカラーリプロダクションの標準化に関する諸問題を著者が学会などで報告したデータなどを加味して考察をする。

2.標準化

 標準化は国際的に進められると同時に各業界ではレベルアップのため積極的に行われている。又、各企業内でも標準化を行うことが大切となる。
ISO (International Organization for Standardization)は国際的標準で国際的条約などにより各国の協力のもとで進められている。
国際交流や国際商取引のためにはこのISOは非常に重要なItemである。
近年、印刷企業で認証されているISO9000は品質に関する保証シリーズで多くの企業でこの認証を得る努力をしている。
 ISO14000は環境に関するシリーズでISO9000に並ぶ重要な規定である。M社は1999年5月にISO9000と同時にすべての工場で認証を受けた。この件に関して1999年11月の日本印刷学会の秋期研究発表会で報告された。
 企業内での標準化はまず作業標準書をまとめることが必要となり、そのためには作業研究が大切である。
また、プレスやプリプレス部門でのいろいろなトラブルの発生は必ず原因があり再発防止の対策をたてることが必要となる。
 印刷企業は多品種・少量生産であるため標準化の推進により生産の合理化を一層発展させることが大切である。

3.オフセット印刷
4.色彩の三属性
5.Japan Color Print 97(JPC97)
6.JPC97と各種データ
7.校正刷りと本機印刷
と図表は省略しました。


8.カラーマネージメント

 デジタル時代の色の標準に関してdrupa2000でCTPの広がりが認められ、刷版工程のデジタル化はDTPと合わせフルデジタル化が達成されつつある。
 このデジタル技術を高度化して、生産速度を上げるには標準化されたカラーマネージメントシステム(CMS)とITとの融合が必要となる。
カ ラー印刷の品質保証はCMSによる数値管理が大切であり、e-ビジネスによる対応での受注、外注、遠隔地伝送など標準データを基本とした管理が要求される。
 Japan Color Print 97(JCP97)がアート紙のみのデータであるのに対して、用紙の種類を増加させ、コート紙、マット紙、上質紙に標準印刷し、Japan Color Print 2000の標準化チャート製作が進行中である。
 しかし、オフセット印刷機ごとのシュミィレーションでカラープロファイルだけではあわないグラーデーション、特色、板紙、特殊紙などへの標準化は今後の課題でもある。
 ここにT社の4色オフセット印刷機2台の管理データに関しその一部を表10にまとめた。
ここではJapan Color Print 97(JCP97)との色差をベタパッチのみを掲載した。

9.マルチメディアでの色評価

  従来まで印刷物を評価するのに濃度や網点のみで管理していたが、DTPやCTPの時代では分光測色器などメディア全体に共通する管理機器の導入と標準化が必要になって来る。
 クロスメディアサービスが増大していく中で印刷やインターネット上で同一オリジナルを利用すると、紙上のカラー画像とデスプレイ上のカラー映像とが一致しなければならない。
 しかし測定器には使用している人の使い方や各メーカーの機種により計測結果の差が出ることがある。
 更に、標準光源をD65(色温度6500K),D50(色温度5000K)にするかにより色の見え方の印象が異なってくる。
 これらを補正する方式も開発されるであろう。
インターネット上の商品がクライアントからクレイムがしばしばあるが、厳密な色を求めるには高精彩のモニターの開発とどの機器にも共通するカラーマネージマントのソフトの研究が期待される。

10.まとめ

  標準化には品質管理を行うことが必要であり、それにはプレス、プリプレスの分野で事故や不良個所をチェックしパレート図などで明らかにして行くことが大切である。
 本発表ではカラー画像の再現に関してCIE色度図上でまとめたが、プリプレス部門がL*,a*,b*での管理がPhotoshopなどで行われている。
オフセット印刷機上でもこのような色管理が行われることが必要である。
 CIP-3(International Cooperation for Integration of Prepress, Press & Postpress)のPPF(Print Production Format)はインキ調整、レジスター、カッテイング調整などを装備している。
 これらに対応するためにも各企業、各団体での標準化は21世紀のデジタル時代には避けられない分野である。
 韓国印刷情報技術研究会は国内の印刷基準をISOやJCP97に準じて、Korean Color Print 01(仮称)をシカゴ展に間に合うよう構想を立てるべきであろう。
(2000年11月24日、KAGAIT)